「会計ソフトがあれば税理士要らず」は間違い?

「会計ソフトがあれば税理士要らず」は間違い?

日々の会計・税務処理の負担を軽減してくれる会計ソフト。
近年はインターネットの普及と発達の中で、サーバー上でデータのやり取りが行える「クラウド会計ソフト」というものも広く導入されています。
様々なメーカーが参入してサービス競争を繰り広げる中でソフト自体の機能も多様化しており、ますます会計の負担は軽くなっています。

では、その会計ソフトさえあれば税理士と顧問契約を結ぶ必要もなく税務処理ないし確定申告を行うことができるのでしょうか?

会計ソフトのメリット

会計ソフトを導入する一番のメリットは「帳簿の負担の軽減」です。
何かを購入した時、客先から入金があった時など、何らかのお金が動けばその度に概要と金額を書類に記入しなくてはなりません。
それには相応の時間と人員が費やされてしまいます。

それを全自動化してくれるのが会計ソフトであり、これが専門の会計事務担当を雇う必要もなく、事前に項目の仕分け設定さえ済ませておけば、ありとあらゆるお金の動きを全てコンピュータ任せにすることができるのです。
そしてコンピュータなので金額記載ミスや漏れなどのヒューマンエラーも起こりませんし、それに伴うダブルチェックの手間も削減できます。

「経費の仕分け」が難点

しかしコンピュータも万能ではありません。
確定申告に伴う勘定科目の仕訳において一番厄介なのが「経費」の項目です。
税金は、売上から経費などの金額を差し引いた所得を基に計算されるため、節税対策を行うためには経費の処理は最重要です。

しかし、コンピュータは人間のように「これは経費で落とせる」「これは駄目」といった風に自動的に判断・仕分けすることはできません。
経費として扱えるか否かは専門的な知識を持った人間でしか判断できないため、本来経費として計上できる分が漏れてしまったり、反対に経費にならないお金を経費として落とし税務署から注意を受ける場合も考えられます。

つまり、確定申告において重要項目といえる経費の算出については会計ソフトだけでは対応できないのが現状なのです。
そのため、節税対策や脱税防止のためにはやはり税理士のような専門家のアドバイスや指導が必要になってくると思われます。